これまで見たこともない現地のメキシカンスタイルのカスタムバイクの存在感
メキシコ現地で実際にこれらのカスタムバイクの写真を撮影したのは、ジュエリーショップ"HAPPY COMPANY FUSSA"のオーナーである小倉さん。
長年の間、メキシコを行き来し長期滞在する等、旅するジュエラー(ジュエリー職人)であり、現地の人々とも交流を深めています。
そんな小倉さんの写真はSNS等のメディアで沢山確認することができ、僕自身もずっと気になっていました。
正直なところ小倉さんの写真などから見るメキシコのバイカースタイルは独特で"スタイル"を一言で断言するのは難しいではあります。
何故かというと、とにかく装飾品やペイント等を見ても、その全てが独特である点
バイカーの間で鉄板として知られているカスタムスタイルには、まず当てはまらないという点
印象のひとつとして、チカーノ系のクルマカスタムカルチャーである"ローライダー"から来ている要素も加わってるようにも見えます。
CREATING A CREATIVE WORLD
↑ついスカルモチーフやチェーン、フック等の装飾に目が行きがちですが、レザーの張り方やスタッズ、ビョウ等の細部のディテールへの拘りによって、無骨ながらもトータルバランスで洗練されて見える。
メキシコのカルチャーが詰まったバイカースタイルはまさにアート
不思議だったのが、ハーレーやローライダー系のみならず"オフロード系"のバイクにドクロの総柄をペイントしていたもので車両のカスタムセンスは、メキシコ独自である事。それもまた、個々のバイカーによってもカスタムセンスは当然異なるので、現地のカルチャーをより一層、色濃く感じとる事ができる。
小倉さんも言ってたように、歴史あるアートの中には逆説的な意味合いがあり、メキシコの演技の良いアートの風習とは裏腹に、それとは真逆の陰を示すようなアートが多々見受けられます。
スカルもその中の一つであり、これまでのルーツやスタイルから見ても、バイカーファッションとスカルアートが密接しているのも事実です。さらに意味合いを深く知るとスカルがラッキーモチーフとして人々に受け入れられている理由も良く分かります。
そこから先のカルチャーについての内容につきましては、今回のバイクのお話とは別に、そのバイカーの方等のライフスタイルや"志事"の内容について等、実際にメキシコに足を運んできた小倉さんにお話をお聞きしたいと思います。(次回、別記事で対談内容を記載)
では引き続き、またバイクの話に戻すとしましょう。
↑僕がメンフェスを旅し、残した写真。この眩しい光景は"うらやましさ"からくるものなのか…。このようなシーンを見て感動するのは僕だけではないはず。
シアターの世界"メンフェス"の光景はバイカー必見
これは僕がメンフィス(アメリカ合衆国テネシー州)で遭遇した街のバイカーの集いの中でも多く目に止まりました。街の中で自然と溶け込むバイク達。車高を低く、特にリアフェンダーを路面すれすれまで落としたスタイルが多く見受けられる。
この地域では、台数もそうですが、心の中で半分は街の人々もバイカー達を受け入れているような…
そんな、ごく自然な光景が、とても眩しく見えたのを今でも覚えています。
まさに"鉄の塊"。そして、バイクは二輪である事。そんな乗り物にまたがって走る以上、当然、周りへの配慮が必要であったり…
自由に仲間達とバイクで走りたいと思うが故に、世の中でトラブルが発生してしまうのも事実。集団でこのようなスタイル(大規模な集い)を追求する事は国(地域)によっては非常に困難です。
すいません…話がメンフェスに脱線してしまいたので、またメキシコの話に戻します。
世界的にも根付いたチョッパースタイルはメキシコでも健在
もうひとつは、ガレージに入っていたバイク。これは"チョッパー"と呼ばれるアウトロー系バイカーのカスタムスタイルなのですが、チョッパーとはバイクのフレームを切って(チョップ)、溶接して作る旧くから伝わるカスタムスタイルです。
ルーツは60年代アメリカの若者達がハーレーや英車を自分たちで改造し始めた事だと言われています。
言うまでもなく、国境を越えてメキシコもアメリカも行き来できるので、テイストはかなり近い部分はあるでしょう。
車重をいかに軽くし、無駄を省き、そこに柔軟な思考とアートセンスが加わるので、パーツ交換だけでは表現できない、大胆で無限の可能性を秘めたカスタムが実現します。
エンジン以外は原型がわからない車両がほとんどで、これらの作中を見て感じた事。バイクは走るアート作品であり歴史やカルチャーを物語るモノだと改めて実感しました。
バイク乗りの拘りや情熱は世界共通?チョッパーのルーツを辿ってみる
現代では、一種のスタイルとして確立され世に根付いているチョッパーですが、ルーツを辿ると「なるほど…だからか…」等、心に響くような発見があります。
フレームをチョップする理由は車重を軽くするのもひとつですが、原型をわからなくする理由は、盗難車だった場合に足をつかなくする為とも言われてます。このようなアウトロー的なカルチャーが元だったという説もありますが、いずれにしても同時の若い人達は、純粋にカスタムを楽しんでいたに違いない…と想像を膨らませてしまいます。
このようにある意味、二極化する考えもありますが、やはり僕としては、バイカーの方達の純粋な心から根付いたスタイルであるという部分に着目したいですね。
"バイカー"という言葉は現代では、バイク乗りを指したりしますが、実は元々は必ずしもそうではなく、チョッパーに乗るアウトロー的な要素を含めたバイク乗り達を指す言葉でした。
↑実際、このバイクのスタイルに通じるライフスタイルをおくる持ち主。この話につきましては、また次回の記事で。
スカルモチーフのオブジェやフック、チェーン等の装飾品が付いたカスタムバイク
バイクオーナーの人柄や人生観を知ればそれも納得?
つまりチョッパーと一言で言っても、ベース車両や流儀は、国などによって様々なようで、基本的には、無駄を省く美学みたいなものが根っこにあるようですが、今回の記事中の写真にもあったように、場合によっては独特な装飾品が付いていたりします。
個人的に小倉さんの写真を見させていただいた時、装飾が何とも不思議であると同時に、これまでに無い…メキシカンならではの発想だと感じましたね。
しかしながらバイクオーナーがどんな人物か知れば、それも納得できそうです。この件につきましては僕なりの考察も含め、別記事で深掘りしていきたいと思います。
↑動画とスチール写真は全て小倉さんが撮影
HAPPY COMPAY FUSSA instagram で見ることができます。
メキシコのバイカー、チョッパースタイルのまとめ
僕個人の主観ではありますが、最近では海外で、日本車のチョッパーも増えつつあるかと。ハーレーとは異なった日本車ならではの横に広がるエンジンがチョップされ、スリムなフレームから大きくはみ出している…。そのアンバランスなフォルムがワイルドでかっこいい。
まとめとして、メキシコのバイカースタイルについて、最後に一言加えるとしたら…
「型にハマらないスタイルが魅力」ということに尽きるのかもしれません。
次のバイク関連記事は、メキシコのバイクカルチャーをベースに多くのアート作品を生み出している現地の「バイクチーム」について。小倉さんの話をまとめ、対談形式のようなカタチで記事にいきたいと思います。
小倉さん(HAPPY COMPAY FUSSA)写真のご提供有難うございました。
RYO NAKAYAMA
↑HAPPY COMPAY FUSSAのジュエラー、小倉さんに制作していただいた"フォースシュー"のデザインジップは一点物の完全フルオーダーです。
HAPPY COMPAY FUSSA▶︎