メキシコ・ヴィンテージと呼ばれるレア・アイテムを取り扱う数少ない場所
ユーモアとパッションを兼ね備えたハッピーカンパニー福生店のオーナーである小倉さん。
近年、世の中でメキシコ・ヴィンテージというジャンルが特集されていて、小倉さんはその先駆けであり今から30年以上前から、それらのヴィンテージジュエリーをストックしていました。
事実、小倉さんは80年代からアメリカ西海岸、そしてメキシコを行き来し、数々のジュエリーやアートに触れてきた人物です。
その中で、現地のジュエラー(アクセサリー職人)から技術を学び、1991年にジュエリーショップを開業。何故メキシコなのか?キッカケは?という部分は誰もが心の奥で気になる部分ではないでしょうか?
メキシコのタスコという街は世界有数の銀の産地であり、現地の職人さん達は、子供の頃からジュエラーとして仕事に没頭している、まさに職人一家。
そんな異国の地に長期滞在を幾度となく重ねてきた小倉さん。
(メキシコで)同じジュエリー職人として、言葉の壁をこえた絆。
メキシカンジュエリーの真髄をここで学ぶことができます。
そして、僕(RYO NAKAYAMA)が薄々気になっていた事…それは…
「ロカビリーとメキシカンアートは何か関連性があるのでは?」という部分についても少しだけ触れていけたらと思います。
では、ここから小倉さんからの話に。
HAPPY COMPANY FUSSA
ー以下、ハッピーカンパニー福生のオーナー小倉さんよりー
お店は開業当初からメキシカンというジャンルに絞られていました。メキシコの温暖な雰囲気にも惹かれましたが、何より現地の人間との交流の中で、作品を作る過程だったり、作り手の人柄を知っているからこそ、作品に愛着が湧くのも事実。
彼等は、それぞれが独自の信念を持っており、ルーツに拘ります。
一つ一つの作品にルーツやコンセプトがある
例えば、実際にグアダルーペ(聖母マリア)を生涯作り続ける職人も存在します。そこには当然ながら深いルーツがある。そのルーツは意味合いのようなものも含まれますが、解釈の仕方は人それぞれですね。むしろ、作り手独自の想いもありますし、案外その想いは言葉で全て語れないものなのかもしれません。
それを考えると様々な意味合いがある中で身に付ける人が最終的に解釈する…というもの一つの考えです。
メキシコのモチーフの話であれば、例に出したらキリがありませんが、コラソン(ハート)やロザリオ、ムエルテ、メキシカンスカル等のモチーフがあり、職人の中でも、それぞれの専門分野があったりもする。
勿論、職人によってはオールマイティーにデザインを創り出す場合もありますが、おおよそ技術面においても分野が異なります。
彼等は先代から続いている職人の心得を受け継いでいるのだと思います。現地で、それをより強く感じたことで、メキシカン・ジュエリーの深みにはまっていったのかもしれません。
はじめは彼等(現地の職人)に対し憧れのようなものもありましたが、何よりも他国から来た私を受け入れてくれた事ですかね。
勿論、技術的な部分や独特なデザイン性にも惹かれていきました。ユニセックスなデザインは勿論、全体的に良い意味で男くささを感じさせます。
私個人の主観的な感想も含め、話せば終わりがない世界かもしれませんし、このような話をするのも久しぶりです。
分かりやすい例であればトゥーフェイス等はメキシカンやロカビリーに通じるアートでしょうし、コラソン(ハート)も様々なデザインがありますが、表現の一つとしてリボンを合わせたデザイン等がありますよね。これなんかはロカビリーにも当てはまる。
当然、間に国境があるわけですが、メキシコはアメリカと隣り合う国。そこで、さらにヨーロッパ等のテイストが入り混じっています。
これらのアートは、現地でもローライダーやチカーノというカルチャーの中でも取り入れられている事から、アングラ、またはローカルな雰囲気も感じさせる。ロカビリーのルーツと似たような部分は少なからずあるのではないでしょうか?
「グアダルーペ(聖母マリア)はメキシカンアートなのか?」という部分も人それぞれの解釈です。
情報はあるにはありますが、明確な答えはあってないようなもの。軸の中で"それ"は枝分かれしていきます。
あえて「そこに答えを求めない」というのもまた面白いかと。
一人一人にストーリーあるように、アートの意味合いについては、人生という旅の中で、それぞれが答えを探し出していく…という考えはどうでしょうか?
それと大切な事実を話さなければなりませんね。
今年一月に火災によりお店が全焼してしまいました。そのため現在、フェニックス計画を進行中で…、早い話が「復活、復元」に向かって着々と動いているという事です。
一先ずショップは閉めていますが、あれからすぐに新しい工房を確保し、職人としての仕事は何も変わらず進めています。
しかしながら、「火事にあった者にどう向き合ったら良いか」という部分ですが、そこは気にせず何でも聞いてくださって大丈夫です。
事実は事実として受け入れ、自然体でこれからも変わらずハッピーカンパニーの軸を保ち続けていきたいと思っております。
HAPPY COMPANY FUSSA
小倉さん有難うございました。
沢山のお話をお聞きかせいただきました。
まだ、内容は沢山ありますが、今回は少し省略させていただき、今後の記事でまとめたいと思います。
ハッピーカンパニー福生のSNSや公式サイト、ブログ等でジュエリーを完成するまでの過程等も見る事ができます。さらにメキシコ現地のエピソードを公開中。その充実した写真の数々…。まるで現地に旅立ったかのような不思議な気分にさせてくれます。
RYO NAKAYMA