DJ KEI-SUKE

沢山の音楽ジャンルがある中で、会場の空気感を読み取りながら選曲する"オールジャンルDJの世界"


DJ KEI-SUKEさんはオールジャンルDJであり、過去のDJの失敗談等も包み隠さず正直に話してくださる温かい人柄。KEI-SUKEさんのお話を聞いていると、何かに挑戦したくなるような…。学びと勇気を同時にもらえるように感じます。


アーティスト活動の中で、初めて何かに挑戦した時の感覚。例えば初めて仕事を受けた時、プロの舞台に立った初日。初めてお客さんの前でDJプレイを披露した時の心境。


求めていたDJの世界に足を踏み入れた時の心境をオールジャンルDJKEI-SUKEさんが語ります。


ー以下、DJ KEI-SUKEさんより-


自分は正直、アーティストではありませんでした。その中で、他のアーティストさん達のライヴを体感したり、クリエイター、DJとして活動してる人達と接していて、自分が常に沢山の感動を得ていた事。


そういう人達の側にいて、何か自分にできる事はないかな…と。ずっと考えていた時期がありました。


DJは曲と曲を繋ぐ、人と人を繋ぐ…


あと、世の中に沢山の曲が存在するだけに選曲については当然ながら深く考えてしまう部分はあります。


具体的には…


会場の雰囲気や、そこにいる人達のファッションや会話の内容から曲を想像したり、実際にお客さんと接してお話を聞いたり。


まずは、基本的な部分かもしれませんが「どんな選曲をしたら楽しんでくれるだろう?」とか、考えたり、それを追求していく事がDJとしてのやりがいだと感じました。


アーティスト、DJの人達は、イベント、クラブ、会場の名前を背負います。そして、そこには、沢山のお客さんが来店します。


やはり、はじめは自分で大丈夫かな?という不安もありました。


いざDJとしてイベントにお誘いいただき、その時に心の準備が出来てたかどうかは分かりませんが、すぐに"やってみよう"と決意したきっかけがあります。


昔、イベントでDJをやる前から、CDを友人に配ったりしていました。その時に、一人一人に向けて、友人が好むジャンルやスタイルに合わせて選曲していた事。一枚一枚、渡す人を想像しながら作っていました。


友人達が集まる身内のイベントであれば、方向性が明確に分かる。これまで友人に渡していたCDの選曲を披露すれば、喜んでもらえるかな…って。技術に自信がなくても、とにかくやってみよう…、そう決心しました。


途中でパン屋さんが気になったのか、立ち寄ってパンをテイクアウトするKEI-SUKEさん


はじめにCDを制作する時や、DJをはじめた当初は、最新の曲をUSENCLUBYouTubeで、チェックしたり、常に新しい刺激を求めていました。


やっぱり、どちらかと言うと、いち早く最新の曲を流したいという想いが先行していた気がする。


そして、ある日、プロのDJさんの付き人のようなカタチでイベントに参加した時、いきなり意表を突かれました。良い意味で予想外な展開を目の当たりにします。


"サプライズ的な刺激"を味わった事


オールジャンルのイベントの場合、人それぞれジャンルが異なるので、会場のお客さんの雰囲気に合わせて探り探り、短く曲を繋いだり。時には昔のポップスや、マイケルジャクソン、クイーンまで流します。


今のクラブミュージックとは相当かけ離れた曲調をほんの数分の間、流したりもする。一瞬、意表を突かれた事で、また、そこからの繋ぎに期待が高まって行く。


イベントに限らず、その時その時で、お客さんのジャンルや世代も異なり、人は見かけに寄らない場合もあります。なので、色々と準備はしますが、なんだかんだ、実際にイベントが始まってみないと分からない。



恩師はこう言いました。


「色々な引き出しを持つこと。後は、その場その場で感じ取っていくしかない」「メジャーな曲を流せばいいって話ではない」「お客さんを良く見て」と。


後は…


"お客さんは時間帯に限らず、その時その時の気持ちで楽しみ方が変わる、テンションも変わる"という人の心境の部分。


しんみり飲みたい時、踊るよりも会話が楽しみたい時。「その雰囲気にあった選曲や繋ぎは何だろう、よし、今はR&Bの選曲で数分間回してみよう」とか考えたり。先を見越してクールダウンさせる事も大切だと教わりました。


自分達やDJの人同士がよく会話する内容です。


「会場やお客さんの空気をDJは感じ取るんだ」というのを恩師のDJさんから教えてもらいました。


後、何人かで回す場合は、DJはチームプレイなので、自分の役割を認識する必要があります。自分自身のDJパフォーマンスも大事ですが、バトンタッチする時間帯やタイミング…、そして、次のDJの人がやりやすいようにするには、お互いのスタイルを知っておく事が大切だと教わりました。


ある恩師は、レコードのターンテーブルが主流の時代からDJを長年やっていた人物。恩師のDJプレイで印象的だったのは"フロアにまだ人が集まってない時間帯やクールダウンした時"です。そんな時のDJパフォーマンス、特にヒップポップ等のブラックミュージックの繋ぎは圧巻。そのテクニックに釘付けになるのは、お客さんも周りのDJも同じでした。


もちろんピーク時にはトレンドの曲やトランス、EDMを流したり。時には合間にJ-POPを組み込んだり、技術のみならず、イベントに来られたお客さんのタイプを知っているからこそ出来る事。基本の軸がしっかりしているからこそ、崩す事が出来る。周囲に受け入れられる。


この表現の幅広さが、オールジャンルの楽しみでもあり深みでもあります。


プロのDJの世界を知って学んだ事は大きいです。


色々な世界に共通している大切な事。個人の考え。そして、音楽が好きだからこそ語れる話はもちろん、他愛ない話も沢山できます。


↑シルバーアクセサリーが好きでコレクションしているDJ KEI-SUKE。MEIAN(メイアン)のアクセサリーで、この写真は公式サイトにも使用された。


有難うございます。


オールジャンルのDJの奥深いお話。今回KEI-SUKEさんからお聞きして感じたのが、ついついプライベートだと自分の好きな曲を、その場にいる人に聴いてほしい知ってほしいという個人の拘りが強くなってしまう場合もありますよね。


それとは、逆に、DJであればヒット曲やメジャーに片寄らず、ニッチな曲も引き出しとして持っておく事も大事でしょうし、敢えてのクールダウン、ここぞという時の曲のチョイスであったり…。色々なパターンを想定しておく感じでしょうか。


「上がりそうで上がらなかった時はどうするのか…」という、聞きにくい疑問にも、こちらからお聞きする前に答えてくれました。


DJの方は、その空気を感じ取り、繋ぎでリカバリーするそうです。もちろん、考え方やテクニックは人によって様々だと思います。


"選曲ミス"とは言わせない!即座に次の曲に上手く繋ぐテクニック等。


むしろ、ミスではなく前置きとして、その場の空気感を敢えて壊す場合もあるそう。


あらゆるパターンを想定しているからこその対応力。イベントには着地点があり、最終的にヒートアップさせる事は勿論。日頃の学びや準備段階も含め、一つの音楽イベントはまるで壮大な物語ですね。


DJさん同士のチームプレイ、時にはお客さんとのコミュニケーション等。今回のお話で、人との交流の大切さをあらためて実感しました。


DJ KEI-SUKEさん有難うございました。


↑カジュアルなファッションで身を包みながらも小物への拘りを感じさせる。気配りを忘れないKEI-SUKEさんらしいアイテムですね。

RYO NAKAYAMA