-青梅-
意識してるわけではないのですが、自分が描く絵本の世界に動物や自然が多いのは、子どもが好きそうだからではなく、自分の育った街の環境が影響している気がします。
自分が育った街、青梅。自然が多く、東京育ちとは言っても遊び場は田んぼや川や森。
春は空き地なんかに生えてるつくしやふきのとう、たらの芽を母親と摘んで料理して食べます。夏は友達とザリガニ、カエル、どじょうなどを捕まえに行って、ときどきドブに落ちたり山奥に行って迷子になったり。
秋は学校の裏山でどんぐりやくぬぎを拾ったり、週末は家族ですぐ近くの奥多摩や秩父に紅葉を見に行きます。冬は通学路に通る凍った川に乗って落ちたり。
学校への近道に使ってた雑木林は、子どもが隠れられるほど根っこがむき出しの木があり、危ないからと途中から舗装されてしまいました。
初めて作った絵本「あめのひのおさんぽ」でくまさんがさしてる葉っぱの傘も、実際に畑に落ちてた里芋か何かの葉っぱをカサにしてみた思い出が元。もちろん、しなしなで雨はしのげてませんでしたが。
父親のバイクを借りて初めて運転したのも田んぼです。今では、絵本を買いに行った帰りに田んぼで読んだり、ベースを練習しにきたりします。田んぼでは時々キジやキツネにも会えます。いつまでも残っていてほしい場所の一つです。
奥多摩や秩父は、四季を感じる場所
休みの日は予定の前に朝バイクで走ります。
気温が変わる境目を感じたり、シカやサルの群れに合ったり。
そんな、自然や動物、四季の変化を身近に感じられる環境と、それに小さい頃から触れさせてくれた家族のおかげで今の自分の感性ができています。
今まで見てきた景色や思い出が、絵本のところどころに散りばめられています。
もちろん、これから新しく見る景色も。
RYO NAKAYAMA